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今月のメッセージ


産土 ( うぶすな ) の神様のこと (八)

日垣宮主


 前回の終りに古事記真伝への文 神代の巻へ皆様をお誘いしました。
 その古事記の一番初めの所に  あめ ( ) みなかぬし ( 御中主 ) の神が出て参りまして 此の神が天地創造の根源神になっています。
  宮主が解説して 水素原子核 が天御中主の世界で此の原子の一点が爆發して此の世が出現するお話をしました。
  それから二年程過ぎたところ 思いがけず ニュートンと言う雑誌の十二月号に 宇宙は砂の一粒程の大きさの一点が一瞬のうち爆發して出現致しました と記していることを知った。
  人間の心 人間の思い それは本当に何処から湧いてくるのか分からない一瞬のうちに浮びます。
  湧きあがる思いは必ず其の思いの湧き出す根元の世界があるのです。
  古事記神代の巻に出てくる神々の世界を尋ねておりますうち あなたは 知らず識らずのうちに此の根元界へ 辿 ( たど ) り着くことでしょう。
  此の世界のことを宮主は「 ( あめ ) 産土 ( うぶすな )   ( くに ) に産土  生々界振 ( ななよふ ) ( さと ) 」と申します。
  此の故郷が 振る郷が 天地創造の世界に在りまして その一粒を人間の体内へ入れてくださいました。
  だから人は皆其の身の中に 産土の神座の一粒を宿すのです。
  あなたが全國・何処の神社へ参りましても神社の前に立つ時 自分では氣がつかないうち 御自身の中の産土様と神社の中の産土様が  光彩 ( こうさい )   を交すのです。
  只今此の國の人々は産土様と氏神様を混同しておりますが産土と氏神は違うのです。
  けれど其の違う産土と氏神が一人の人間の中では一緒に住んでおります。
  人が此の世へ生まれる一瞬 その生まれる年 月 日 時刻 が一個の生命体になって新生児の魂へ結びます 此の魂が 氏神様であります。
  神を求める心 理解する心 すべて此の氏神の働きなのです。
  あなたの氏神 あなたの産土 天地の根元 みんな同根でありました。
  同根ですから自分で意識せずとも氏神と産土と天地と人間は生涯一流れなんです。
  良かったですネ。
  皆んな其の身の奥に 神様 を宿していたなんて 本当に素晴らしいお話です。
  せっかくの神様 宝物 も使い方次第で何の役にも立たないことだってあるのです。
  使い方を知るのが 古神道 と思ってください。
  古神道のお話は次回に致します 。
 

二〇〇七年四月三日


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