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今月のメッセージ


産土 ( うぶすな ) の神様のこと (十四)

日垣宮主


 産土の神は誰が此の世へ祀りましたか。
  人が自由に祀れるものなら人間以下でしょう。
  だから産土の神は人間が祀った神では無い。
  産土神界が在って其の産土神魂が御自身で此の世の中へお 出坐 ( でま ) しあそばすのだが お出坐しの時 私が産土である などと言ってお出坐しになる様なみっともない働きはなさらない。
  何しろ産土の神様は地球上の人間一人ひとりを此の世へ生み出し 彼の世へ導く神なんだから世界中においであそばす。
  世界中に居ながら 吾れは産土なるぞ とは言ったためしが無いのだ。
  それでは誰も知らず 誰も拝まないではないか。
  然うです。
  誰からも拝まれる必要は無い。
  それが本当の神様なんです。
  信仰しなさい 神を拝みなさい などと言う様な神様なんか居るものですか。
  その様な産土様を認識する民族が此の世に存在した それが日本民族とは本当に恐れいる。
  例へば
  日本の國に昔から氏神様があって鎮守様があって いつの間にか全國に神社が立ち 八幡宮 天祖神社 稲荷神社 厳島神社 更には乃木神社 東郷神社 が在り昔からの偉人などの神社が在り山の神 海の神 川の神 さまざまな神社が造られた。
  その神社の祭神が記されているのだが 何処の神社へ行っても 産土神社 とは表札が掲げて無い。
  それなのに其の神社には御祭神に関り無く産土の神がおいであそばし その神名を 少名彦那の神 大穴牟遅の神 と申しあげる。
  名乗らないからこそ眞實と言うことも言えよう。
  皆様方 此の世へ誕生する その時 産土の神の恵を受けない者は無いのです。
  此処は寺院ですと言ったって其の奥に産土様が居る。
  此処はキリスト教の教会ですと言ったって其の奥に産土様が居る。
  宗教などに関りなく あなたが其処に住み其の大地を司る神が祀ってあるなら 必ず其処に産土の神が居るのです。
  その神があなたに宿ります。
 

二〇〇七年九月二十五日


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