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今月のメッセージ


産土 ( うぶすな ) の神様のこと (十七)

日垣宮主


 前回 少名彦那の神と大穴牟遅の神は何故結ぶのかと申しあげたので其の流れを辿ってみよう。
 日本の國に出雲の國があって出雲の神をお祀りする出雲大社がある。
  出雲大社は大國主の神を奉齋する神社であるが此のほか 出雲には素盞鳴の神をはじめ澤山の神々を祀る神社があって其の神様方には夫れぞれの神界が在る。
  その神界の ( すべ ) てを 出雲神界 と申しあげる。
  宮主は長い間かけて出雲神界の内容を少しづつ知ったのだが  一言 ( ひとこと ) に申しあげると 伊弉那美の神の神界から独立して出雲神界が生まれていることが解った。
  そして此の出雲神界の役目は ( うつ ) ( ) と言う此の世と 幽界 ( かくりよ ) と呼ばれる目に見えない霊魂・霊体の世界の  中間 ( ちゅうかん )   にあって此の二つを結ぶ神界であると知った。

 人間は肉体を持っているが同時に霊魂も持っている。
  死ぬ時に肉体と霊魂が分離する。
生まれてくる時肉体と霊魂が結ばれる。

 此の霊魂には霊魂誕生の世界と霊体形成の世界と霊体活動の世界があって 霊魂全体を司配する神界と霊体全部を司配する神界がある。
  少名彦那の神は 霊魂 の司命神である。
  大穴牟遅の神は 霊体 の司霊神である。

 人が生まれる時は男女の結びを受胎するのだが母の胎内に居る胎児は母体の一部で霊魂や霊体に 神線 と言う光の世界でつながっていても只それだけの存在と言える。
  不思議な事に此の胎児は母胎の一部として胎内で成長しながら 胎核 ( たいかく ) と称する 人間と言う核を持っているので此の核が成長しながら感核を働かせ 胎内に居ながら其の感核で外界を其の身に感じ取っているのだ。
  斯うして成長した胎児が出産する その一瞬入魂する。
  入魂に関る神様の中に 天忍穂耳 ( あめおしほみみ ) の神や 玉依比売 ( たまよりひめ ) の神などがおいであそばすのだが 霊魂司命神と霊体司霊神が 合体 しないと人間体が調へない神理があって 少名彦那と大穴牟遅が一瞬 合せ鏡 に成る。
  産土の神界と申しますのは斯の様な流れを併せなさる 産霊神 であるから 産土神界に少名彦那と大穴牟遅の両神の存在は確かに存在するのだが では少名彦那は産土か 大穴牟遅は産土か と聞かれたら然うですとは言えないのだ。

二〇〇七年十二月二十八日


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