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今月のメッセージ


産土 ( うぶすな ) の神様のこと (二〇)

日垣宮主


 人は息をして生きている。
  何故 ( なぜ ) 息をするのかなど考えることは無い。
  人は言葉を話す。
  日本人は日本語。
  中国人は中国語。
  世界の各国 各民族にそれぞれの意志を伝える言葉がある。
  その言葉は 声 になるから相手に伝わる。
  その声は 呼吸 から生れる。
  つまり人の息の使い方次第で声になり言葉になるのだ。
  言葉が違うと言うことは息の使い方が違うことになる。
  私が中国へ行った。
  言葉が違うから意志が伝わらない。
  通訳が働いてくれたけれど 思いが交流しないのだ。
  その中 たった一言 ニィハオ ニィハオ と挨拶したとたん 忽ち 思いが交流した。
  息と息が合った。
  そしたら思いが伝わった。
  私は外国へ行って日本語で神々の祭祀をするのだが その時の私は神々と一息になっている。
  だから祭祀が通る。
  心と心が一流れになるのだ。

  産土神界に 少名彦那の神と大穴牟遅の神が居る。
  此の神と神が 合わせ鏡になって息を合わせるから 人と人が結び 人と大地が結び 先祖と子孫が結び 神と人が結ぶことが出来る。
  そして
  少名彦那と大穴牟遅と人を結び 大地を結び 先祖を結び 子孫すら結んでゆく その微妙な 結合体 があって 此の結合体の神を  大國魂 ( おおくにたま ) の神 とお呼びするのだが 此の大國魂の神にお逢いする迄に私はいったい 此の世へ何度生まれ更ったのであろうか そして如何ほどの人生を 流転 ( るてん ) したことであろうか。
  日本國に産土の神と國魂の神の 神名 が伝わって久しい。
  けれど 本当の意味で此の神を知る者は無かったろう。
  今迄 ホームページ を通して物語ってきた産土の神の話が 皆様の心に ( かよ ) って 私もその神への道を歩みたいと ( ねが ) ってくださるなら幸いである 。
 

二〇〇八年三月三十一日


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