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今月のメッセージ


産土 ( うぶすな ) の神様のこと (二十八)

日垣宮主


◎上手な、神様の使い方を話します

 長い間の習慣で神社参拝を致します。
  鳥居の前で頭を下げますと気持が良いのは皆んなが知っていることでございます。
その神様と人間のつながりを御存知でしょうか。
お考えください。

 道を歩いています。
  風が吹き過ぎ風が吹き寄せます。
  噫!気持良い、身体が楽になると言って息を吸いこみます。
  少し歩いているうちに風も気持良さも忘れております。
  忘れておりましても身体の方は風のおかげで楽になり疲れも除れているのです。
  此の風を神様に譬えましょう。

 風は何処を吹きますか。
  何処でも吹く訳ではありません。
風さんの通り道があるのです。
  気持の良い風に触れたのは風の通り道を歩いたお蔭でした。

 神様って神社へ御神体を置いて其の神体へお招び申しあげ、おまつり致しますので其の神体の中へお入りあそばしているかの様に考えるのですが それでは 神様を入れものゝ中へ入れて置いて人間の使いたい時だけ取り出すと同じことではありませんか。
  でも
  その思い違いが罷り通っている様に思えてならないのです。
  神様をお祭祀申しあげると言うことは、お空いっぱいに広がっている空気を一点に集めて其の前で礼拝する様なことなのです。
  だから
  神様にお参りする時の礼儀作法が必要になるのです。
  此のお作法が上手な神様の使い方になるのです。
  だって そうでしょう。
  お参り致しました けれど 神様はおりませんので代りの者が受け付け致しました、お参りした人は神様に祈りが通ったと思っているのですが、受け付けから聞いた神様は其の祈り人が改めて参拝する時を待つかも知れません、いつまでたっても其の人がお参りに行かなければ祈りは届かないと同じです。
  昔から神社への参り方に 七日間 続けましょうと言われてきた訳は此の様なところにございます。
  産土神社に神社の森が消えて無くなって神社と御神体がどれほど立派に出来ましても、其処に神様がおいであそばすとは限らないのです。
  斯う云う次第で
  本当にお蔭を戴ける神社を希望するなら、豊かな神の森がどうしても必要になるのです。
  宮主は時折、神社だけが置いてある産土の神の為に其の近くで豊かで清浄の気に溢れた庭をお持ちの人に申し上げまして、その庭に産土の神様の遊行地なる神気を招び奉ることがございます。
  余りお励め出来ることではございませんが事実、神力をお迎え申し上げる為の作法として神許しを願っております。
  もうすぐ新年を迎えます。
  神社参拝と祈願、そして人と神のつながりの一端を記します。

二〇〇八年十一月二十四日

 

 


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