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今月のメッセージ


古事記の事始め

日垣宮主


 今年の五月、北海道旭川に於いて古事記眞伝への文 十二巻 刊行を記念して特別の学び会を開催した。
  古事記神代の巻の初めに記す言葉を“天地初発の時高天原に成りいます神の名は天御中主の神”と拝聴したのは今から六十一年の昔 靖國神社内の貴賓室であった。
  それが私を神道一筋へ導いた縁の糸口である。
  鹿島神宮の道場に参籠した頃の私に古事記神代の物語りは遠い彼方に霞む日影か月影の様に ( かす ) かなかすかな存在であった。
  其の日影も月影も今は宮主の胸中に ( ) えて神路を照らしなさる 標神 ( しるべがみ ) となっている。
  古事記と言う本があって日本の國の天皇の祖先に天照らす大御神がおいであそばしますと教えられた私の少年時代が、今では大きく変って天皇も人間でありますと教えている。
  さあ
  然うなりますと古事記に書いてある神話は間違っておりましたと言われてしまうだろう。
      ※     ※     ※
  天から地上へ降りてきた神様が居りまして日本人の先祖になりましたなどと言ったら、では世界中の人々と日本民族は違うのですかと言われましょう。
  その様な時、歴史学者や神道家は何と言ってお応えになりますか。

 宮主が拙い修行の結果、神々の御心を伺い知る様になって、時には直接神々の伝へ言を聞きながら古事記の本文に向い合ったところ、天照らす大御神と申しあげる神は真実、太陽を此の世へ出現させる「核神」の魂の様な御存在で、日本人だけに限らず地球上の人間の生命の根源の世界に活躍する創造の光波であると知ったのです。
  その神の事を外国でアラーの神と言ったり祈りの言葉にアーメンと申しあげている真実を此の古事記を通して悟りました。
  同時に出版した本に 民族の帖 があり 産土の神のお話 がありますが、すべては古事記解説の流れから生まれた、宮主と神々との合作にほかなりません。
  世界中の人々がそれぞれの立場から日本の古事記を自国の古事記に書き替えることの出来る時代の訪れます様希っております 。

二〇〇九年六月一日

 


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