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今月のメッセージ


旧正月と旧暦のお話日垣宮主

日垣宮主


 いろいろな質問が私宛にとどいてくる。
  その中に旧の正月で何をしたら良いか教えて貰いたいと聞く人が居た。
  実は私自身、困っていた話である。
  誰も聞いてくれない。
  だから問題にしなかった。
  けれど本当は大切な大切な話。
  新暦と旧暦がある。
  太陽の動きを中心に作った暦が太陽暦。
  月の動きを中心に作った暦が太陰暦。
  太陽暦を新暦と言う。
  太陰暦を旧暦と言う。
  昔から日本の國で太陰暦が使われてきたのを明治になってから太陽暦に変えたので新しい暦の意味で新暦と言う様になったくらいに思っている人が多いのだが、日本の國にとって旧暦が如何に大切であるのか少しお話をする。
  日本の國は何故日本であるのか。
  誰が、何時頃から日本と称する様になったか、とても不思議。
  でも其の不思議を大切に思ったところ日本と旧暦の切っても切れない因縁が分かってきた。
  日本の國を日の本の國と言う。
  日は太陽だから太陽の國で此の國を始めた神様は天照らす大御神と申しあげる日の神様で天皇陛下は其の子孫だと教えられてきた時代がある。
  宮主も成るほどと思って育ってきた。
  ところが
  毎日、毎月、毎年、天と地と人の祭祀を続けているうちに 月 の神と人の結びつきが深い深いところでつながっていたと気がつき、月の祭祀を大切にすることにした。
  新月のまつりが月次祭で旧暦の一日。
  三日月まつりで此の世に生きている生きもの全てが影の色彩を強くすると知った。
  上弦まつりがあって、満月まつりがあってと思っていたら、一寸お待ち下さい其の前に十三夜のまつりを忘れてはなりませんと言う月の声がした。
  下弦まつりが終って無月になって次が翌る月の新月と思っていたら、宮主一寸待った、と声が掛かった。
  新月から遡ること三日に出る三日月の神がおいであそばして此の月の波動は、三日月が生きものの影を浮かび上らせるのに対して、次に生まれる生きもの影の波動を生み出すのであります、名付けて黒神三日月と称しますと伝えてきた。
  斯うして宮主の月神まつりが調った次第である。
  是れがすべて旧暦の中に入るのだ。
  おやおや日の本の國は月の夜の祭祀でいっぱいでは無いかと思ったとたんに日の本の國は夜の國であると気がついた。
  夜はお日様が出てくる  ( もと )   の國であろう。
  だから日の本は夜であった。
  夜が此の國で月の國。
  月は太陽の光で輝くのだから此の國は太陽をおまつりせねばならないのだ。
  國全体が日が昇る朝を迎える。
  だから旧暦正月の月が元旦のお日様を心からお迎え申しあげるのだ。
  旧の正月って何をしたら良いのですかとお尋ねくださった、その答えは此のお話の中から御自分でお出しください。
   

二〇〇九年八月一日

 


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