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今月のメッセージ


仲秋物語り

日垣宮主


 仲秋の意味を教えてくださいと言ってきた人が居る。
 暦の上で陰暦八月十五日のことを中秋と言ったり仲秋と書いたりする。
 秋の始まりが立秋で、秋の中程が仲秋で、秋の終りの頃の事を晩秋と言う。
 何だ其んなことかとと思わないで貰いたい。
 季節に春夏秋冬があり、春に初春から晩春迄があり、夏だった初夏から晩夏があって、皆んなそれぞれの装いをなさる。
 そして四季を分ける御方がお月様であった。
 私は今年の立秋祭を執り行った時、神前で八月七日午後六時、“水のみたま振る祭祀”を致しますと申しあげた。
  北辰 ( ほくしん ) と言う言葉があって北の水神様を表し北極星ですと説く者も居るし、妙見宮ですと言って手を合せる者もある。
 私は宇佐八幡宮に於いて神修の中から北辰は八幡の神で北辰の神の水が 一滴 こぼれ落ちたところに美しい姫神が誕生し神の名を 阿加流姫 ( あかるひめ )   又は阿加留姫とお呼びすることを知った。
 海原に潮の流れがある。
 潮の流れへ北辰の神の神力が注ぐ時、海水の中へ北辰天の眞一の神波が振りおこされる。
 此の世の人が此の世に生きている。
 亡くなった人が彼の世に生きている。
 此の世と彼の世の人が心を持っている。
 その心が一人ひとりの中で働くから人生になる。
 その 心 を下さる月の神様がおいであそばして、海の中へ北辰の神水の一滴を注ぐ時 此の世の人も彼の世の人も、海鳴りの響きを其の身に伝えるかの様に心が活力を生み出す。
 立秋まつりは其の祭り始めであった。
 そして中秋になり満月になると此の 心波 がさながら満月の様に充実する。
  秋分になると、地球と月と太陽が神の手をつなぎなさるので、此の世の人・彼の世の人・地球万象・全てが心を豊かにすることが出来る。
  此処に秋のみたま祀りがある。
  仲秋の夕月に丸い団子をお供えして月を拝み、その団子を食べるのは此の団子一つに、神の恵みの一滴を宿し吾が身の中に北辰の神の心を籠らせる行事であった。

 仲秋の意味 此のあたりで宜敷いかな。 

二〇〇九年十月一日

 

 


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