今月のメッセージ
祓へぬさの話
日垣宮主
或る人から尋ねられた。
神様事の中でよく見かける宮司さんがシャンシャンと振っている棒の下に和紙みたいのヒラヒラが付いていますが、あれは何ですか?と。
然うですよネ。
棒に紙を切ったヒラヒラを取り付けて神主が振っている意味を説明してくださいと尋ねられて何と答えたら良いのでしょうか。
お話致しましょう。
神様って何処に、
何
んなお姿をしていらっしゃいますかと私が尋ねられた事があるのですが、毎日毎日祭祀をする私は常に神と一流れになっているので格別意識しないけれど、やはり不思議でしょう。
神は、“神を想う人の心の中へお
出坐
しになる”と言うのが神からのメッセージでした。
ですから
“是の棒と紙切れは神様です”と言われてハイ然うですかと頭を下げれば此の棒と紙切れは神に成ります。
では、どの様な神でしょうか。
神社へ行くと 御神木 と呼ぶ樹木があって此の木へ神霊が宿ります。
無心に頭を下げる人に神木の神が笑顔を向けますと其の一瞬神木から風が吹き寄せます。
此の風が神の恵心なのです。
ですから
神社へ行って鳥居の下に立って 神様ッとお呼びして頭を下げますと、優しい風が吹いて参ります。
それが神様であります。
神主が手に持つ棒と紙切れの事を「祓へぬさ」と称します。
神主が祓へぬさを振ると扇子の風の様に風が生まれます。
人と神様では生命の波動が違うので、正式参拝と申しまして神霊にお目にかかる為には人の波動と神の波動が釣り合う必要があるのです。
その為、祓へぬさの風をお受け致しますと其の風が人間の波動を消して下さいます。
神様にお目にかかれる風の
衣
を着せていただく訳であります。
私は時々神木の前で神様と御一緒に祭祀を致しますが、その時、神木から吹く風が此の祓へぬさの代りをなさいます。
祓へぬさを作る時、棒を使ったり榊や杉などの木の枝を使います。
又、取り付ける紙の枚数も決まっております。
是れも神様との約束でありましょう。
二〇〇九年十一月一日