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今月のメッセージ


神様と参拝の作法

日垣宮主


 質問があって正しい神社のお参りの仕方を知りたいと言う。
 鳥居のくぐり方を教えてくださいと言う。
 それに加えてお賽銭はどのくらいあげたら良いのですかと尋ねられた。
 その答えを記そう。
 神社参拝の作法と申しますが本当は神社と神様は一緒でありません。
 神社は建築物で神様は神霊と申しまして人の目には見えません。
 まず此の事を承知した上で今度は建築物である神社を含めて 神域 を想像していたゞきたい。
 神域と申しますのは神霊の波動が鳴り響いている場所の事であります。
 では、神霊の波動は何処から何処まで鳴り響きますか教えてくださいと神様にお尋ね致しますと、お答えになって“人が其の心の中で神様を想う時、その想いの中が全部神域であります”と答えなさいます。
 そのお答えを神社へ当てはめますと、其の神社にお祀り申しあげてある神霊の想念の及ぶ限りすべて神域であると言う事になります。
 では、人間が住む所をお守りくださる産土の神様の神域は町全体でしょう、村全体でしょう、その中で神社は何をなさるのでしょうか。
 そこで、人間は御自身の身体と考えます。
 頭があって手があって足があり胴体がありますが其の中で首から上と下は全く別な存在であります。
 首から上が人体の神域であります。
 神社に鳥居が立っている様に頭と言う神霊の世界へ入ってゆく門があります。
  眉間 ( みけん ) と申しますのは頭への入口で右と左の眉が人の頭の鳥居であります。
 一の鳥居・二の鳥居・三の鳥居・と三つの門があって眉間が一の鳥居です。
 二の鳥居と三の鳥居が人の頭の中にあって二の鳥居のある所は 額の真ん中 で此処は人相学の上で 天庭 ( てんてい ) と称します、そして三の鳥居は 髪際 と申しまして髪の生え ( ぎわ ) にございます。
  一の鳥居が眉間で其の下の鼻筋が参道でございます。
  神様の奥の宮が大脳の中心にございます。
  此の様に人の顔が造られていることを良くお考えください。
  神社と神様の世界を人間と肉体の世界に置き換えていたゞきたい。
  是れだけの事を理解できた時、あなたは御自身の中から神社への礼儀が生まれて参ります。
  人の身体が人の神社に譬えられる時、お賽銭は人の身体を保持する為の費用に当りますから、要は真心に代える奉納でございます。
  鳥居をくゞる礼儀も参拝の作法も一人ひとりの真心の表れでよろしいと思います。

 神社には神社の祭式があります。
  日垣宮主には宮主の祭式があります。
  けれど、人間一人ひとりの立場に置いて神社へ参拝する礼儀に特別の型式はございません。

二〇一〇年一月一日


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