HOME > 今月のメッセージ

今月のメッセージ


風と光と息づきの話

日垣宮主


 今回の質問に「月はエネルギーが高いそうです 月光浴をなさいとお聞きするのですが 月光浴の意味が良く分かりません」と言う。
 其の質問に答えます。

 人は皆 心 を持ちます。
人は皆 思い を持ちます。

 心も思いも一人ひとりが持つ感受能力から生まれます。
風が吹きます。
その風は、俺は風だと言わない。
自分勝手に吹いている様に思う。
その風と人が向き合う。
風は何も言わないのに人は吹く風を受けて冷たいと思う・温かいと思う・嬉しいと感じ哀しいと感じる感覚が生まれる。
此の感覚の中から 心 が生まれ、思いが生まれる。
気落ちする人。
気力を振りおこす人。
一人ひとりが様々な反応を示す。
吹く風は物理的に吹くのかも知れないのだが感受性を持つ人は其の風を性理で受け取る。
その風の中に、物理的な風の中に、風の粒子が入っている。
光が射す時、光線が走ってくる、そして其の光線の中に光粒子が入っている。
だから、昼の光と夜の光では光の粒子が違い粒子の波動が違っている。
太陽の光粒子がある。
月の光粒子がある。
風の風粒子がある。
月に見える光線があっても人の目には光の粒子は見えないだろう。
太陽の光線が人に与える影響はさまざまで人を生かす光線もあれば人を殺す光線もある。
月の光線はどの様な光粒子を含むのであろうか。
太陽光は光熱を人体の中迄入れなさるから暖かく感覚する。
月の光波に入っている光粒子は如何なる働きをするのであろうか。
月光の光波に入る粒子には 水の粒子 が入っている。
人体は体温を持ち体液を持つ生き物であり同時に息体と言って息づきをする呼吸体である。
此の呼吸力が働くから太陽の熱波を吸収し月の水波を吸収する。
此処の所に月光浴の作法が秘められる。
人が如何なる呼吸をする時 月光波 が人の身心を豊かにしてゆくかと言う事を知る必要がある。
月光が神になるか魔になるかは月光を受ける人の呼吸法にかかっている。
では其の呼吸を如何にするかと言う事に成るのだが、此の呼吸度に関わる説明は精神界の話になり、いささか宗教じみた話をせねばならなくなるので一般的で無くなる。
何れ、稿を改めてとは申しあげない。
宮主の神道書をお読みいただき、その中から、一人ひとりが自得なさる様希っておく。
息は一人ひとり違う。
だから斯様斯様にするのですと簡単に申しあげられない。
自得なさいませと申しあげる所以である。

 お月さまへの思いは人に依ってさまざま。
やはり満月へ手を合わせ、“十五夜お月さま御機嫌良う”と静かに息をするあたりに大切な息づきがあるのでは無いでしょうか。

二〇一〇年三月一日 満月


» インデックスページに戻る

美剣体道サイトへ