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今月のメッセージ


旧暦と言う暦の話(上)

日垣宮主


 今でも旧暦が使われているのは何故でしょうか。
  また、どの様な場合に使われているのですか。
  此の様な質問があった。
  世の中に、様々な人生模様が繰り ( ひろ ) げられる。
  昔は、日本の国内に於ける世相の中で人々の生活が続いた。
  現在は、世界中の政治・経済・などが互いに連動しながら、その中へ人々の生活を巻き込んでいる。

 その人生の中で、人は皆 衣 食 住 の三宝で生きている。
  裸では生きてゆけないから衣を求める。
  その裸も 食 が無ければ生きられないから食を求める。
  住む家 住む土地 住む所 が無ければ生きてゆけない。
  そもそもの初め
裸で生まれる人間であるが、その前に裸の児を産んでくれる父と母を必要とする。

 人間 衣 食 住 と此の世を生きてゆく必要事項を書きならべてみると、此のすべてに亘って こよみ と言う目に見えない生きものが関係してくる。
  日本語のコヨミと言う言葉は本当に素晴らしい言葉である。
  森羅万象、そのすべては、それぞれの生命の営みを持つつころの  息き物 ( いきもの )   である。
  生き物と言う、それは息をする物である。

  山も川も草も木も、そして全ての動物も、息をしているイキモノである。
  その息が乱れるとイキモノは病んで亡くなる、此の世から姿を消してゆく。

 人間は其の息づきの中で息づきの知識を習得してきた。
  海の息 山の息 風の息 雨の息 などの知識から自然現象の流れを人生に生かす法則を学んだ。
  日の動き 月の動き 星の動き に依って変化するところの天地の中で、万象が如何なる 息づき をするかを学び取ってきた。

 星を学びながら こよみ が生まれた。
  息を読みとる 息読み ( こよみ ) かも知れない。
  農作物を作る祭祀が日本の生活と政治の大切な中心になって生まれた暦は、作物の成育に合わせる こよみ を月の神の働きに合わせたので其の次第を述べる。

(次回へつづく)

二〇一〇年七月一日


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