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今月のメッセージ


神社とお寺の話

日垣宮主


 日本の国に神社とお寺がある。
 神社と寺の違いを知りたいと言う人があった。
 神社は神社であり寺は寺でありますと答えれば良いのだが質問する人の気持を思って私なりの答えを書いておく。
 世界中に人間が居て宗教がある。
 人間が無かったら世界も宗教も存在しない。
 だから
 宗教とは人間の生きざまのことである。
 人が此の世へ生まれて死んで一生が終わるので人間の生きざまとは 生と死 が基本になる。
 尋ねなさった人は、何故神社が必要なのか、何故寺が必要であるのかと言うところに疑問の根ッ子があったと思う。
 時代と共に人の生きざまが変わってゆく。
 昭和と言う年代から平成に成るにつれて大きく変わった風俗の一つに結婚式がある。
 昔は、神前結婚が普通で、仏前結婚は余り知られていなかった。
 現代の若者は、キリスト教の風習で結婚式を挙げることにいささかの疑問も持たない。
 男女の結びつきで子が生まれる。
 結婚式の中から子が誕生する。

 良く考えれば
日本の神々を祀る神前で結婚式を挙げたら神の魂が子孫を生み、仏前で結婚式を挙げたら仏の魂が子孫を生み、キリスト教で結婚式を挙げればキリストの魂が子孫を生むと理解できる道理がある。
親族、友人 の集まった前で結婚式を挙げたら子孫は男女の両親の先祖の魂から生まれるだろう。
最近の科学は人間に生命磁気があると告げる。
男の磁気と女の磁気が結ぶから結婚する。
男女の磁気波動へ出産と言う生命磁気が結んでくると言うことが本当に判ったら、結婚式 と言う作法が人生に及ぼす影響の強さに驚くほか無いと思う。

 生は死につながる。
死が生につながる。

 生まれた児を神前へ捧げるお宮参りが神の生命磁気をいただく作法と知る。
仏前と言う寺院で寺参りすれば寺の生命磁気を貰う。
さて 問題は此処からだ。
寺の本質は人生の学問処で聖なる所であったから坐禅は人生の学問の学びごとになる筈であるのに、現代の寺は葬式処さながらに変わってしまった。
死者の生命磁気の前で結婚式は出来ないし子供の誕生祝いも出来ないことになる。

 斯う云う次第で、神社と寺の違いは其処に発生する生命磁気波動の違いに在るとお答えする。
古代の仏像に逢って心の安らぎを覚えるのは其の仏像が生み出す生命磁気波に依るので此の仏像は寺院内に置かれようと仏教とか寺に関係の無い ( ひじり ) の存在であることを申し添えておく。

 斯様な次第で神社もそれぞれ、寺もそれぞれで善も無ければ悪も無い。
其処へ参詣する者次第で神も仏もそのお顔を変えなさる。

二〇一〇年十月一日


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