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今月のメッセージ


縁結びの神様のお話

日垣宮主


 所々の神社に、縁結びの神力がございますと神徳を表示する看板が ( かか ) げられております。
 ところが
  何故 ( なぜ ) 此の神様が縁結びをなさるのかと言う様な説明はございません。
 日垣宮主は著書の中で、産土の神様が男と女を結び、子供を生ませますと書きました。
 そして
 産土の神様の中に、 少名彦那 ( すくなひこな ) の神と 大穴牟遅 ( おほなむち ) の神が居ります、少名彦那様は人間の霊魂全体の元締の神様で大穴牟遅の神が其の霊魂を招んで夫婦の間に生まれる子供の中へ結びますと申し上げます。

 少名彦那も大穴牟遅も出雲の神様としてお祀りされております。
でも
出雲の神様って大国主の神様でしょう、大国主の神様が縁結びの神では無いのですかと尋ねてみて下さい。

 昔の書物を調べますと、神代の昔、大国主の神様が 奴奈川比売 ( ぬなかはひめ ) の神に恋をして、毎日毎日恋路を通って、めでたく夫婦になりました。
諏訪大神の祭神、 建御名方 ( たけみなかた ) の神のお母様が此の奴奈川比売の神様ですと書いてありますから、やはり大国主様と奴奈川比売様は縁結びのお祈りに ( こた ) えて下さるのですネと思います。
では出雲大社に奴奈川比売の神様が何故おまつりされていないのですか。

 神様のお話を少し致しましょう。
本当は神様に人間の様な肉体はありませんから人間の様な恋愛は無いのです。
神様に 神体 がありまして神体から霊体が生まれます。
霊体を取りますと肉体はありませんが、心体が霊体から生まれまして男神と女神の間に心波の交流はございますので、出雲の神話にある大国主の神と奴奈川比売の神のお話は霊界のお話と思って下さい。

 ところで、縁結びと此のお話では何千も何万も何億も居る人間の願う縁結びには少々無理が感じられますので、もう少し深い所のお話を致します。

 神様は人体を持ちませんけれど神体と一緒に神力をお持ちです。
此の神力の世界に  葦原 ( あしはら ) ( なか ) ( くに )   と申しあげる国がございます。
此の葦原の中つ国が実は神界の 出雲 ( いづも ) の国でありました。
此の国に、大国主の神・八重事代主の神・御名方の神がおいであそばし 更に  天忍穂耳 ( あめほしほみみ ) の神  天穂日 ( あめほひ ) の神  天津日子根 ( あまつひこね ) の神  活津日子根 ( いくつひこね ) の神  熊野久須日 ( くまのくすひ ) の神 と申し上げる神様方が今でも活躍しておりまして、此の神様方が葦原の中つ国で 縁結びまつり をしております。

 此の縁結びは、男と女の縁を結ぶと言う表現を致しますが、此の世も彼の世も、そして森羅万象は悉く 呼吸 をしています。その呼吸神の事を縁結びと申します。
天と地が息をします。左と右が息をします。
表と裏が息をします。
此の息づきのことを縁結びと申します。
女が吸います、男が吐きます。
地が吸います、天が吐きます。
此の吸って吐く呼吸の間に「一瞬の間」がございまして、此の瞬間が吸う息と吐く息を結ぶから其処に生命が宿ります。
男・女・が結んで其の間に生命が宿って子が生まれます。

 此の世の女性は陰の生き者で男性は陽の生き者です。
男と女が結ばなかったら生命が絶えますので此の生命を絶やさぬ為に、出雲神界があって葦原の中つ国がございます。

 本当に本当に神様の世界に縁結びの働きがございます。
その神様方を此の世で格別、おまつりする所の中に出雲大社がございます。
ですから本当は地球上の人間が生命を保てるのは神界の出雲の神々のお蔭なのです。
良い妻が慾しいと願い 良い夫が慾しいと願うのは新生の 息子 ( いきのこ ) を求める人間の切なる願いと改めて申しあげ、縁結び物語りを終わります。

2011年5月1日


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