HOME > 今月のメッセージ

今月のメッセージ


日本人が亡き人を弔う祭祀心得

日垣宮主


 今迄に私は数えきれぬ程、亡き人のお ( とむら ) いをして参りました。
 幼な児から老人に到る迄 一人ひとりに 私の知る限り能うる限り 心を尽くしてお弔いを致しました。
 人は霊魂を持ちますので 私は 常に霊魂に語りかけまして霊魂と一緒になって葬式を致しますので日本人であるとか何処の国の人であるとか意識したことはありません。

 外国へ参りまして戦死した日本兵のみたまを御まつりする時は月の神にお願い致しまして一度月神の光にお抱き戴き、月神の神力で日本国の故郷へ戻して戴く様にして参りましたので 是れも亦 私の目の前の亡き人々と月の神を結合させると言う厳粛な祭祀であります。
ところが
( ) ( たび ) 、東日本大震災で亡くなった人々の葬式になりますと 其処に 思いがけない葬礼大神の神力を拝見致します。
是の話は、みだりに語るべきことではございませんので今迄は口にする事を差し控えておりましたが、事実を知る者が自己の都合だけで 語りたく無い などと言ってはならないと思いまして、日本人が亡き人を弔う 祭祀心得 ( まつりこころ ) の名のもとにお伝え申します。

 第一の心得
日本民族は日本列島の神気を戴いて日本国に生まれておりますので一人ひとりの霊魂の根元が日本国の子供であることを知る。
第二の心得
日本民族の血の流れは日本の国土の血汐に通うこと――(国土に国土の血汐があります、肉眼には見えずとも神気血流が国土を生かしている)故に人々の生きる力と血汐の波動が一つであることを知る。
第三の心得
生後、必ず其の土地の産土の神へ出産の届けを致しまして神と人の血流を結びまつること。
第四の心得
死後は必ず誕生地の産土の神に葬礼報告をすべきこと――遠く離れている時は現住地の産土の神に向かって、その誕生地を申し述べ誕生地の産土神へ知らせて戴くこと。
第五の心得と申します所に今回の震災で亡くなった者の葬礼見聞の記を記すことに致します(宮主が現実に此の心眼に映る光景です)。

  ※     ※     ※
海の底に葬礼鎮魂の宮が見えます――亡くなった人が横になっております――海神が其の遺体をお祀りしております――お祀りする母神の中へ遺体が吸収されてゆきます。
私は、何をなさるのですかと心の中で問いかけました。
理由は後で伝える けれど 今 神々が執り行う葬礼は、今から六十年昔の戦争で亡くなった者達の中、海で亡くなった者の葬儀を、此の者達の死期を使って執り行うものであるとお聞かせ下さった。
神の前に安置された遺体から安らぎが湧き上がります。

 その後お聞きする。
六十余年の昔に戦死した者を蘇らせる神力に海水と共に昇天する一刹那の死者の波動を必要とする。
故に此の ( たび ) の津波に巻き込まれる死期の波動を神法に変える時、一人の死期を以て百人を越える将兵を蘇生させると言う葬礼を可能に致します(死者の霊体を形成いたします)。

 斯様な次第で日本と言う国土と此の国土に生まれる人々の間には寸分の 隙間 ( すき ) も無いほどの神縁が働いております。

 津波と地震の災害で亡くなった人々へ捧げる黙祷は、冥目する人の全身を流れる民族の血汐の高鳴りを招びます。

 天皇陛下の皇后陛下が静かに黙祷なさいます時、日本の国土全体の血汐が葬礼神力になって鳴り続けます。

 外ツ国人達が黙祷なさいます、その黙祷の中へ、日本民族神の祈りが入ります。

 海と津波と地震との対話に続いて葬礼神のお話をお届けいたします。

2011年7月1日


» インデックスページに戻る

美剣体道サイトへ