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今月のメッセージ


生け花と言う芸術に触れる

日垣宮主


  毎月神座の前の床の間へ花を生けて下さる。
  美しい壺、そして生きいきとした花々が生けてある。
  常に空気を ( やわ ) らげている生け花と思って眺めていた。
  ところが
  今朝の祭祀を始めようと思って生け花の前を通った時、その生け花から語りかけられた。

 “御覧下さい、私は舞を舞っていますッ”と言います。
成るほど、壺に生けられた花々が舞い姿に見えます。
  私の中で花の舞いが美しく舞います。
  私は知りました。
  生け花を受け入れる壺は生きものです。
  作られた壺は一個の焼き物です。叩けば割れて土に還る一個の物体にすぎません。
  その壺に、壺様ッ是れからお花を生けますからッと語りかけます そして その壺へ花を生けますと、壺の精と花の精が生命の磁気波を生んでお互いに結びます。
壺を踏み台にする花の下の壺は平らな壺です。
壺を履きものにする花は其の壺を袴か裾模様することでしょう。
花々は其処で様々な舞姿を表します。
不思議なことに、此の生け花は見る人に依って表情を千変万花させます。喜・怒・哀・楽の花を舞わせます。
一体の生け花が立役者になります。
百畳敷きの大広間があって其の中に小さな壺と花が一枝生けられて居る光景を想って下さい。
その生け花が如何ほどの舞い姿を其の表情に見せて下さいますか。
朝拝が終わったところへ道友の一人から電話があって、只今から祈りの宮でお祈りをさせて頂きたいのですが 心得を 教えて下さいと申します。
私は申しました。
あなたは、祈りの宮の神殿を神の壺にして其の壺へ生けられる花の一枝におなりなさい。神殿と言う壺から生まれる神の生命の磁気波の中へ生けた人魂が その時 見事な生け花になることでしょう と。

 私は 今朝
見せる為の生け花とばかり思っていた生け花芸術が 其の至極を 生命の花咲く舞姿に変える道と教えられました。
皆様 一人ひとりが 其の生きる姿を 日本民族の生命の花舞いになさいませんか。

2012年4月1日


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