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今月のメッセージ


八幡大神と宇摩志間遅 ( うましまぢ ) のお話

日垣宮主


  日本の国に神社が沢山あります。
 一番大切にされる伊勢神宮・そして出雲大社で、新年になりますと明治神宮などが知られておりますが、それぞれの神社に御祭祀 ( おまつり ) される神様が天照大神・大国主大神・明治天皇・と言う様に皆んなから尊とばれ礼拝されて参りました。
 その神々の中で広く知られて居ながら本当のところ全く知られて居ないのが八幡宮の神様ではないでしょうか。

 勝負の世界で良く耳にするのが、南無八幡大菩薩・己矢八幡大菩薩と言う神号でありました。
 それは何故でしょうか。
 一般に八幡宮の神様は応神天皇であると記し、此の天皇は神功皇后が其の昔三韓征伐 ( さんかんせいばつ ) に行く時、胎内に宿っていた胎児が凱旋 ( がいせん ) する時出産した天皇で、胎内においであそばす時から神が宿りましたと神告げがございましたので、此の神は( いくさ ) の神であると信じられました。
 では、八幡様の神号は何故付いたのでしょうか。
 ( まん ) の別読みを ハタ ( ・・ ) と読みます、そして神の力の事を一言で( ) と表現しますので海の神力をヤハタ ( ・・・ ) 神と申します。
 ヤハタを八幡と漢字で表してハチマン様でございます。
 日本の国から其の昔海の彼方に三韓国があるなど誰も知らなかった頃、オキナガタラシ媛命と申しあげた神功皇后が神憑りして、海の彼方に三韓国あり、行きて是れを治むべしと申されたそうです。
 そして軍船が津波の様な波に乗せられ到着した所が三韓国で、凱旋する船中で皇子誕生。名付けて応神天皇と言う次第でした。
 では、八幡大神は応神天皇ですかと問はれてハイ然うですとは言へないのです。
 日本の国で八幡大神と申しあげる神社の中で八幡様の本家が九州の宇佐八幡宮で、更に又、現在の鹿児島神宮も元八幡 ( もとはちまん ) 様の別称があって此処が八幡の元宮 ( もとみや ) ですと申す者もございます。
 宮主は京都の北山と言う所に祭られる中川八幡神社に格別の神縁があって、毎月一度参拝を重ねておりましたが或る時、祭祀中に宇佐八幡宮の神がおでましになって九州の宇佐八幡へ宮主を御招 ( およ ) び下さいました。
 招ばれて行った九州の宇佐八幡宮に於いて宮主は親しく神影に接し八幡神魂の御存在が如何なる尊影にあるかを知りましたが、同時に、京都の中川八幡宮の神魂が如何なる神であるかも理解できました。
 八幡旅行記は既刊地球まつりの旅上下巻に続いて記す書籍内で書き綴らせて頂きますが、今此処で宮主が皆様にお伝へしたいのは、京都の北山が古来北山杉と申しまして他に類を見ない建築材として普く知られていた其の北山が、長い間秘めてきた神力であります。

 杉の木は地下水を吸って成長する水の精霊が宿ります。
 日本列島が神洲と呼ばれるのは地下水の神氣に依ります。
 日本民族の体質の清浄さ加減は他国に類を見ません。
 其の水の精霊が天の水神と呼応して生み出す神力があって此の神力の事を、「宇摩志間遅 ( うましまぢ ) 大神」と讃へます。

 此の神が神法道術神で鎮魂の神界を展開します。
 昔から日本人が「おまぢなひ」と言ってきたのは此の神様の生命力を頂く神法からでありまして、中川八幡宮の社前を流れる神川の対岸から( ひら ) ける神の森こそ此の神の神力を生み出す神杉界で神仙神龍の秘宮と申し上げる次第です。
 宇佐八幡の神が北辰 ( ほくしん ) の水源から地球へ降臨した水神であり此の水波が母神の胎内で大海津見 ( おほわたつみ ) 大神と化身なさる秘め言を知る時、改めて海神に結ぶ応神天皇と母神神功皇后の神徳も理解されましょう。

2013年 元旦

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