今月のメッセージ
産土 の神様のこと (二十七)
日垣宮主
◎ささやかで眞實の礼儀作法
「産土神」と題する一冊の本をお頒けしてから長い時が流れました。
ホームページへのお話も二十七回続きます。
日本の國に神社がありまして神様方をおまつり申しあげますが これは 単なる信仰心でつながる御存在ではございません。
神々と日本人に血のつながりがあるのです。
神主にお祓いをして戴いて、祝詞をあげて戴いて参拝する神社のある中で、多くの産土神社には神主も居りません、お祓いもございません。
血のつながりの仲でありますから、親と子の間に余計な礼儀など
要
らない様です。
只、親と子の間にも礼儀はございます。
正しく坐って、両手をついて、お早うございます、お休みなさいませ、と御挨拶申しますのは、昔から日本人の間に生まれた正しい礼儀作法ではありませんか。
いつとは無しに失われた此の礼儀作法は、西洋流の家屋で畳の無い家の中での礼儀に変ってきた為かも知れません。
出来るものなら、住居の中に畳敷きの一部屋を設けまして「朝晩の礼」を交す様にしていただきたいと
希
っております。
畳をタタミとお読みします。
膝を折って坐ります其の姿を膝をタタムと申します。
衣服を納める作業は衣服をタタムと申します。
あるべき姿に納める動作がタタムならば、日本家屋の畳は
自
ずから 住む人に礼儀の根本を伝えることを御存知かも知れません。
宮主は毎朝夕、神前に膝をたたみます。
朝毎に、茶を煎じまして、亡き人々をお招びする小さな坐布団を敷き、其の前に煎茶をお供え致しまして其の氏名をお呼び致しますが、
大宜都比売
の神様をお招び申しあげ産土の神々をお招び申しあげ、奉る御挨拶は本当にタタミ込む様に語りかけております。
良くそれだけの名前を覚えていますね、と家人達に言われますが、これは 産土様との
生命
の
綱
の様に思えるのです。
只今、改めて 『続産土神』と称する本を作成中でございます、中には絶版になった産土神社のお話も少し書き替えて収めてありますので是非お読みください。
只今印刷中ですから御予約も受付ける様手配をしております
。
二〇〇八年十月三十一日