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今月のメッセージ


産土 ( うぶすな ) の神様のこと (二十九)

日垣宮主


  お正月がやって参りました。
 お正月は何処から来るのでしょうか。
  ( こよみ ) の神様がおいであそばして一日一日の日めくりを致します。
 その日めくりが三百六十五回お働きくださいますと一区切り致します。
 一区切り致しますと暦の神様は次の年のお役目を与えられた神様と日めくりの交替を致します。
 ところで、その様に一日一日の日めくりをなさる神様って、人間の世界の暦の日めくりみたいに一枚一枚、日付けの紙を取り代えなさるだけなのだろうか。
 想像してみました。
 想像しても是れは分からないのです。
 でも、こんな当り前の事が分からないのでは困ります。
 そこで、産土の神様にお尋ね致しました。
 人が生まれてくる時、何年の何月の何日の何時に生まれたかで人の運勢を判断する方法がございます。
 それなら、人を此の世へ誕生させなさる神様には必ず、一人ひとりの人間を此の世へ送り出す予定がございます。
 其の予定表に、「日めくり」があって其の日めくりには子供が生まれる時から始めて、毎月毎月の運勢の予定が全部記してある筈です。
 不思議です。
 一年から一生に亘る運勢を記す暦があって日めくり暦に作られているものなら、此の世では人間は ( あやつ ) り人形みたいではないだろうか。
 これはおかしい。
 一日一日の努力に依って人生に吉凶が分かれてこその人間でしょう。
 然う思って 産土の日めくり内容を拝見すると、それは此の世の紙に記す様な日めくりではありませんでした。
 お日様とお月様の光の波が映る一枚の鏡がありまして、其の鏡に人間一人ひとりの影が映ります。
 此の様な鏡は見た事もありませんが、自動的に人の動きが記入されてゆきます。
 その動きの中へ更に人の精神波動が働きかけるのです。
 此の様な暦って本当にあるのです。
 虚空読みと書いて  虚空読 ( こよ ) み と読んでみると、私が解いている古事記の眞伝へ ( ごと ) の様になって参ります。
 いや、本当に驚きです。
 村の小さな神社にウブスナ様をおまつりしておりまして、手を合わせ、お祈りをしてきた其処に此の様な暦があったのです。
 改めて年の始めの心得に致します。
 

二〇〇九年一月一日


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