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今月のメッセージ


人と神と大地の話

日垣宮主


 長い年月に亘って神道と言う道を歩いてきました。
 日本の人達は家屋を造ると家の中に神棚を造る習慣がありました。
 誰に教えられるのでも無いのに此の国の人は神さまが大好きなのです。
 だから
 神様から嫌われたくないのです。
 子供は親に孝養をつくさねばなりませんなどと教えられなくても 皆んな 親から嫌われたくありません。
 神社参拝だって本当に私は信仰していますなどと言って拝む様な日本人はおりません。
 でも
 何となく気になる神社です。
 日本人にとって神社や神さまは 呼吸 みたいな御存在なのです。

 毎日息をしているから生きております その人間が 息苦しくなった時 はじめて息の大切さ加減を知るのです。
困った時の神頼みと申しますが 本当は それで良いのです。
息苦しくなった時、息付きに気をつける様に困ったら神さまを拝みます。
此の国の神さま方と申します神々は其の様な御存在なのです。
だから
昔からの村の鎮守の神さまが一番日本らしい神社なのです。

 話は変わりまして、日垣の宮主が神道を説き、祭祀を皆様と一緒に執り行いますのは神さまお助け下さいとかお蔭を下さいと言う祈りでは無いのです。
昨日小学一年の子に、神さまは何処に居るのですかと尋ねられました。
はい、ではお話しましょう。
※     ※     ※
あなたは息をしています、息が止まったら死にます。
息は空気を呼吸するのですが息をする時、あなたの中へ入ってくる空気は沢山たくさん水の粒々が目に見えないけど、いっぱい入っています そして 其の水の粒の中に神さまの生命が入ってくれます。
だから、息をする度に神さまがあなたの中へ入ってくれるのです。
そうすると、あなたの身体は全部神さまだけになるのです。
人間って 皆んな 神さまのおかげで生きているし、あなたも神さまの子なんです。
一人ひとり、自分が大切な神さまの入れものですとお話しました。
※     ※     ※
日本人は昔から自分を鍛える努力をして参りました。
それは自己と言う神力を豊かにする努力の民族なのです。

 此の感覚で日本列島を見ましょう。
息をする日本列島が身近に感覚されますから海も山も川も野も そして田園も その息づきを神の息づきの様に感覚できます。
その息を乱してはなりません。
国土を活気づかせねばなりません。
海を 山を 川を 本当に大切にすると国土と言う神さまが日本人を見守ってくれます。
本当の幸福って、此処から生まれます。

 住んでいる人間の都合だけで土地を利用致しますと土地が病みます。
病んだ土地が大地震を発生させるのは病気を癒す為に動き出す国土の自己防衛なのです。
昔から「親しき仲にも礼儀あり」と教えます。
宮主が 家屋に 大地に 天に 地に 万象に向って礼拝する時 まず 吾が身を正しますのは何故ですか。

 私が姿勢を正さなければ 家屋も大地も万象も姿勢を正さないのです。
御飯を食べる時でも 何気なく “いただきます”と申しますが 私は其の度毎に吾が身を正す様に心掛けます。

 宇宙間に神さまがいっぱいなのです。

2011年9月1日


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