今月のメッセージ
宇蘭盆会と彼岸会の意味
日垣宮主
思ひがけない質問でした。
年中行事になっている「みたま祀り」でありますが、さて、改めて尋ねられますと是れは私なりのお答へをせねばなりません。
盆も彼岸も日本民族に昔から伝はる「みたま祀り」でありまして盆のみたま祀りと彼岸のみたま祀りが同じである道理がありません。
では何の様に違ふのでしょうか。
はっきり申しまして 盆 はお月さまに祈るみたま祀りで、彼岸はお日さまに祈るみたま祀りなのです。
旧暦の七月の満月にお祈りして、亡くなった人が幸福
な死後の生活であります様にと願うのがお盆祀りなのです。
人間に霊魂がありますーーその霊魂を生む神様の世界が月の神界であります。
人が息をすることが出来るのは月の神様から送られてくる息づきなのです。
月の世界から地球上へ送られる水の波動があります。
月光と共に降ってくる水の粒子が神の夜霧
になり夜露
になって大地を潤
します。
特に子
の刻と云う午前零時から寅
の刻と云う午前三時迄の間に降る水波は人体の血液の中へ生命の鉄分を生むのです。
此の鉄分で血汐が呼吸をしますから此の時間は睡眠の貴重な養分吸収時なのです。
何故七月なのですか、旧の七月満月なのですか。
稔りの秋と申します。米が粒子の中へ月の神力を篭らせるのが立秋から満月に到る月でした。
生きる力が米の中へ宿ります。其の満月様を母神と礼拝してきたのは民族の智恵でありました。
亡き人の霊魂に豊かな稔りあれかしと合掌する宇蘭盆会は確かに仏教から伝はった様でありますが、その仏教そのものの発生点がまさか月の神界にあったとは御存知無いでしょう。
旧暦七月の満月に祈って亡き人の霊魂に生きる息づきをと祈るのが盆のみたま祀りと知る時、盆の供養にと亡き人を偲び 団子
を供へる意味も良く判ります。
次回はお彼岸のお話をしましょう。
2013年6月1日