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今月のメッセージ


産土の神様の話

日垣宮主


 知っている様で殆んどの人が知らない産土の神の話をする。
 産土の神と云う本を書いて出版しているのでお読みの方は改めて納得されたい。
 神様の中に造化三神と申しまして此の天地を創造し保持なさる一番尊い神様の名を 天御中主( あめのみなかぬし)の神 神美産霊(かみむすび)の神 高美産霊(たかみむすび)の神と古事記神代の巻の一番初めに記します。

 産土の神の (うぶ)  は此の三神の中の神美産霊・高美産霊の神の産霊から採ります。
 産霊と書いて むすび と読みます。
 そして此の神美むすび様が太陽を産み出す。
 高美むすび様が月を産みます。
 太陽の神界から 生命 が生まれました。
 月の神界から 霊魂 が生まれました。

 生命と霊魂が むすびますと人間に成ります ので人は皆、神美産霊と高美産霊の結びで生まれます。
 お日さまとお月さまが人間の産みの(おや) であります。
 お日様は 火 の神です(天照大神)
 お月様は 水 の神です(月読大神)

 火と水が結んで生まれる人間が生まれる為に大切な 結び場 が無ければなりませんので此の結び場の事を (すな)  と申しました。
 産土(うぶすな) 様って神様の世界で人間を生みなさる創造主でした。

 ところがです。此の造化三神は(ひと) り神で其の身を隠しますと書いてあるのです。
 独り神と申しますのは、虚空(こくう) の事でしたから産土の神の神って虚空の神になりましょう。
 此の世は現し世ですから虚空の産土様が姿を表さねばなりません。
 その為に、少名彦那の神が神美むすびの代り神をなさる事になり、大穴牟遅の神が高美むすびの代りをする事になりました。
 そして
 此の二神様が、産土の神界を形成したのです。
 日本と云う国土は本当に神の息吹きで、国の魂を生み、国魂の神界になったのです。
 昔から武蔵(むさし)の国と呼んだり相模(さがみ )の国とお呼びするのは此の国魂の神の息吹きでした。
 国魂の神の息吹きが 市 町 村 などに分かれまして、其処に産土の神が姿を表しました。
 産土と国魂が結びました。そして日本全国の神社にお祭祀されたのです。
 日本人は、信仰心が篤いので自己の信ずる神を自己の領地内へ祭祀します。神社が建ち
ます。
 昔から其の地に祀られてきた神社と新しい神社のどちらが産土様なのでしょうか。
 迷います。
 人間の内なる生命の波動は信ずる神の神波に即応するのです。
 新生児を初の宮詣りに連れてゆきますと、其の児の内なる魂に応えて、少名彦那の神と大穴牟遅の神が其の児の産土様にお成り下さいます。
 ですから
 其の地に永住する者にとって産土様は昔から参拝してきた神社と心得ましょう。
 神社に祭祀る神が八幡様でありましょうと天神様でありましょうと、祭神の神名に関わりなく産土神魂は厳然と御存在あそばします。
 それは
 日月の光波は一瞬毎に其の大地に注ぎ人を生かす息吹きを国魂化させ産土化させるからなのです。
 春秋の祭礼に氏子達が呼吸を合わせ御輿を捧げるのは産土様への縁結び行事と心得ます。

 人は皆、生命と霊魂で息をしながら生きていますから、その生きざまがそっくり産土であり国魂であります。

2013年9月1日

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