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今月のメッセージ


神無月の意味を説く

日垣宮主


 古来、旧暦の十月を神無月と申します。
 子供心に其の意味を問ひますと、此の月は全国の神々が出雲へ参集なさいますので、神社が留守になって神々が居なくなるから、神が無い月ですと教へられました。
 神様が居なくなるなんておかしな話ですが余り気にかけること無く過ぎたのです。けれど、毎年毎年旧暦の十月を神無月とお呼びするのが気にかかって来たので、日垣宮主の知る神無月の話を述べます。
 そもそも
 出雲の国と申します神界は如何なる世界でありましょうか。
 古事記の神代の巻に記すときだから解きますと、黄泉界の中にはじめて、此処を出雲の国と申しますと明記致しまして次の様に伝へます。
     ※     ※     ※
 伊賦耶坂(いふやさか) 黄泉比良坂(よもつひらさか) 宇都志比神奈佐久(うつしひかなさく) 葦原中津国(あしはらなかつくに) を出雲神界と伝へる。
 国譲りと申しまして大国主の神が天孫に国を譲る話がありまして此の葦原中津国を出雲の国と説くのです そして 葦原中津国と申します神界が眞実、出雲の国ならば、此処は現世人の目には見へない道理なのです。
 でも、古事記の中には不可視光波の世界を此の世に説いてありませんから、出雲大社があって神々が悉く参集しますと言う意味は分かりませんね。
 宮主は古事記眞伝への文の中で此処の所を説明しましたが一般に理解されませんので十一月が旧暦の十月で神無月なので神が集まる出雲の国 そして葦原中津国が如何なる国であるかを申し述べます。

 一言に申しまして 神がそれぞれの神力を天授の神力に差し戻すことの出来る高天原のことを、神々の求める出雲神界と申します。

 全国の産土の神は其の土地に依って応変自在でなければなりませんから 市 町 村 の産土の神はそれぞれの守るべき神力が千万無数に分岐され変化せねばならないのです。
 お国柄と言ひまして全国それぞれの府県市町村に独特の気風があるので、産土の神々も其の国柄に即応します 諸々の因縁に左右されますので 神無月 は其の流れから脱けまして元来の天命伝達神に其の神魂を差し戻すので 神々が無に還る意味から 神無月 と理解させていただきます。

 此の神界の祭祀処が出雲大社と改めて参礼四拍手一拝を捧げ奉る。

2013年11月1日

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