読書のすすめ 15
民族の帖
昔から 民族主義 と申しまして、文化の形成や発展に関してそれぞれの民族性を高揚し、更には国家の成り立ちを同一民族を以て組織してゆこうと言う活動を起こした結果、独立国家を形成した歴史があります。
宮主が綴るところは其の様な主義や主張と異なりまして、一人ひとりの人間が此の世に生まれてくる時、どの様にして生まれるのかを考え、如何なる訳があって人は此の世へ生まれたのかを思い、此の世から死んでゆく時の光景を知り死後の生命体が如何なる働きをするのかを学んでゆく、其の中から辿り着いた所に浮かび上がってくる世界に 民族 が形成されてゆきます。
一人の人間が生まれます。
あなたが 今 此処に生きております。
あなたは いったい 何処から来て何処へ行くのですか。
考えようではありませんか。
地球があって 森羅万象 がございます。
あなたと地球が一対一の関係で向き合った其処から何が生まれますか。
あなたと森羅万象が一対一で向き合うなど考えたことも無かった人生の中で、初めて知る世界がございます。
その世界から民族が誕生致します。
あなたの中から発生する意識が真実の民族意識なのです。
人は皆、自分が何であるかを知りません。
息をしているのですが其の息が何処から生まれてくるのか知りません。
同じ様に人は皆、自身の中の血液に民族の血が流れているのです。
何処で生まれましょうと、自分の中に流れている血汐は己れ自身の血汐であると同時に間違いも無く 民族の血 でございます。
地球対一人の人間と申しました。
その一人の人間であるあなたの中の血汐と此の地球と言う生きものゝ中を流れる 見えざる血汐 が同一の波動を打ち続けるのです。
宮主が書き綴る民族の帖は、その様に、あなた自身を知る、自己の内なる血汐の香りを感覚する、そして、自己と大地の縁を悟ります、自己と地球の縁を覚ります。
一人の中を流れる民族の血が、一人の民族が此の地球に立ちます。
ですから、
あなたは何民族ですかなどゝ言う感覚は消えまして、私は私の中を流れる血汐と共に在る独立民族であると言う自覚にお立ちいたゞきたい。
其処から生まれる民族意識こそは現代の混乱する世界中の民族意識から、真実の民族が結び合い共存共栄の道も生れるのです。
地球不可思議。
そして此の地球に誕生する人間不可思議。
知らず識らず吾が身の中から鳴り出す民族の高鳴り。
日本民族と言っても混血に続く混血の歴史の果てにある現代に於いて、人が、あなたが、私が、己れ自身の中に
卓立
させる民族意識こそ、真実 世界が そして人類が互いに尊重できる国家の形成につながることを信じます。
“民族の帖 が一冊 私の人生を私自身の中から私を支えてくださいます。”
二〇〇八・十一・二十五
民族の帖 四六判●240ページ●価格2,520円
注文はこちら>>>